秋葉原事件容疑者 勤務先ルポ
◎しんぶん赤旗日曜版6月22日号より
秋葉原事件容疑者 勤務先ルポ
派遣は調整弁
東京・秋葉原の歩行者天国で17人を無差別に殺傷するという卑劣な犯行を引き起こした加藤智大容疑者(25)。なぜ、このような凶行を起こしたかについては、家庭環境などさまざまな要因が指摘されています。その一つが、モノのように切り捨てられる派遣労働のあり方です。現地を訪ねると―。
加藤容疑者が働いていたのは、トヨタグループの関東自動車工業東富士工場(静岡県裾野市)。
同工場の正社員は2400人で派遣労働者は200人。
加藤容疑者は派遣労働者として、カローラの塗装にゴミがついていないかチェックする仕事についていた。
5月末、派遣労働者の大リストラ計画が伝えられる。
6月末に200人のうち150人を解雇するというもの。
加藤は不安を感じるが、リストラは免れた。
「別に俺が必要なんじゃなくて、新しい人がいないからとりあえず延期なんだって」(掲示板の書き込みより)
この大リストラ計画に同工場で働く派遣労働者(34)は
「みんな動揺していた」と話す。
「4月は残業続きで、体力的にもアップ、アップだった。
それが6月末にいきなりクビ。急にいわれても、次の仕事が決まってないから大変だ」
同社の対応に、派遣企業の幹部も怒る。
「1カ月前に突然、派遣社員を解雇するといってきた。通常なら2、3カ月前に伝える。
そうしないと派遣社員も次の仕事を見つける時間がない。
あまりにも乱暴だ」
加藤容疑者の派遣元の「日研総業」はこんな広告で募集していた。
「高収入必見の稼げるお仕事!!月収280000円以上可」
しかし、組み立てラインにいる20代の派遣労働者は
「手取りは20万円を切るぐらいだ。派遣の仕事は残業がないとかせげない」
派遣会社が借り上げたマンションは、表札がほとんどなく、部屋には荷物もほとんどない。
「仕事が切れればすぐ引っ越しだから、荷物は少ない。
派遣の仕事をしてれば孤立感があるが、だからといってやったことは許せない」
社会にできることは
(NPO法人「自立生活サポートセンター・もやい」事務局長 湯浅誠さん談)
「モノ扱いされ、非人間的に扱われ続けても、人間的な気持ちは持ち続けなさいと、社会が派遣労働者にいえるのか、という問題は残ります。
やはり、雇用や社会保障の問題をふくめて、人間らしく暮らせるように社会を立て直す必要があるんです。」
「大切なのは、社会として、今回の事件のような被害者を出さないために、あらゆる手だてをやり尽くすことです。
生活保障付きの職業訓練制度をもうけたり、雇用や働き方の問題の是正、社会保障のセーフティーネットを充実させるなど、行政として人間らしい暮らしの部分を立て直していくことは、再発防止のための手段の一つとして有効です。」
s(・・;) どんな事情があれ他人を殺すことの正当化にはなりませんが。
しかし派遣という立場は虚無や絶望を感じさせるものです。
派遣とはいってもれば、現代における奴隷制のようなものかもしれません。
そして奴隷制によって成り立っている日本の経済。
この構図の問題を明らかにし、改めていくことが必要でしょう。
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