複数野党制(複数政党制)か単独野党制(二大政党制)か

 2007年7月28日の参院選について。いたたまれず久々に書く。
 
 民主党が自公を上回って圧勝。与党敗北ということでまずは良かった。
 しかし、民主党以外の野党は奮わなかった。
 二大政党制というのが現実味を帯びてきている。
 
 しかし、一般庶民が希望を持って普通に暮らしていく社会を実現していくためには、二大政党制が優れているか複数政党制が優れているかということである。
 二大政党制というのは、野党は1つしかないのである。
 自公政権に反対の人は、右も左も1つの選択肢しか用意されていないのである。
 実名を挙げれば、新風を支持する人も日本共産党を支持する人も女性党を支持する人も第一野党である民主党に投票せよ、というのが二大政党制なのである。無茶なことだ。 
 
 与党に集まる者は寄らば大樹の陰と、付和雷同する傾向にある。あえて与党に反対するという人は、確固とした信念があるからこそ、あえて政権と戦う厳しい道を選んでいるのである。同じ与党に反対する立場といっても、各々寄って立つ信念が違う。ちょっとやそっとでは一致団結・大同団結できるわけがない。
 代議士制(間接民主制)において、複数の立場を政治に反映させるには、そのための政党が必要なのである。決して2つだけでいいわけではない。
 それを無理やり“野党は1つでないといけない”というのは、
  
 野党版・一党独裁制
 
なのである。

 国政において複数政党制が必要なのは言うまでもない。野党においても複数政党が必要なのである。
 
 バラバラでは勝てないから一つにまとまらないといけない、というのは本末転倒した意見である。選挙制度はどうあるべきか、という根源的なところから考えなければならない。
 そもそも、小選挙区制でトップの1人しか当選できないという制度は、死票が多く出て国民の意見が反映されない制度なのである。
 今の選挙制度でどれだけの死票が出ているか。
 例えば、日本共産党議席数を減らしたのであるが、得票数は増えているのである。

議席減の結果ですが、得票数では、前回および前々回の得票を上回る四四〇万票(7・48%)
  http://www.jcp.or.jp/giin/senkyo/2007_sanin/2007sanin_kekka.html

 与党を批判するリベラル系のブロガーでも、日本共産党とその支持者を口汚くののしる人がいる。
 しかし、四四〇万もの票を得た合法的な政党とその支持者をよくもまあ悪し様にののしれるものである。
 よくもまあこれほど下品で悪辣な言を吐き続けられるものだなあ。典型的な反共意見であり、半分も読まないうちに嫌になってくる。ランキングが上位なのかアクセスが多いのか知らないが、よほど自分が偉くて特別だと思っておられるようで、上から目線で断定的に決め付ける意見のオンパレードである。味方でも思い通りにならない気に入らないブログを名指しで“粛清”するのもいつものことである。私も以前、あるTBセンターのために自分のブログを放り出してでも一生懸命手伝い管理をしていた時、そのTBセンターの有力ブロガーから“アクセスのことばかり書く気難しいやつ”とあてこすられてショックを受けたことがあったが、こちらのお方の方が余程それに当てはまるだろう。更新不能に追い込まれてアクセスがほとんどない超弱小ブロガーの私が何を言ってもかの超強大ブログには蛙の面に小便だろうが。
 ともかく、崇拝の対象が小泉自民党から民主党に変わったというだけで、やっていることは小泉を熱狂的に崇拝していた連中と変わらない。ファシズムに近い体質を露呈している。
   
 閑話休題。私は日本共産党を支持しているので、日本共産党を例に挙げさせてもらった。しかし複数政党制か二大政党制かというテーマは、社民党新社会党9条ネットや、新風などにも言えることである。
 ここでの問題提起は、日本共産党のことは別にして考えて頂きたい。与党に異を唱える多くの立場を代表するために、野党が1つしかないのはおかしいのではないか、本来の民主政治を実現するためには、“複数政党制”“複数野党制”を支持するべきで、二大政党制は拒否するべきではないか、ということである。
 
 憲法改悪(奴らは憲法改正という)を議論するというのならば、まず先に、選挙制度改正について議論するべきではないだろうか。国民の意見を正当に反映しない小選挙区トップ当選制から、国民の意見をよりよく反映する中選挙区複数当選制や比例代表制に改める、ということを考えるべきではないか。
 
 私も以前は護憲派は小異を捨てて大同団結するべきだと考えていたことがあった。しかし現実は、同じ護憲派でも仲が悪いということが多いのである。それなら別々に護憲の政党を作って別々に活動するしかない。
「『平和への結集』をめざす市民の風」の共同代表者が辞任したというのは象徴的な出来事だろう。違いを乗り越えてやっていこう、と呼びかけている団体の代表者自体が違いを乗り越えて一緒に行動できなかったのだから。
 しかし現実はえてしてそんなものではないだろうか。やはり無理に一つにまとめてしまうことは不可能である。
(しかし複数野党制支持の立場から見れば、“完全結集論”には無理がある。二大政党制に批判的な「風」さんらしくもない。)
 
◆平和への結集ブログ  3共同代表辞任のご報告
  http://kaze.fm/wordpress/?p=136
 
 ブログランキングで常に上位に位置している維新政党・新風ですら、支持者の間で方針の違いがあったようである。
  
 今もし、日本共産党社民党や新風が民主党に吸収されてしまえばどうなるか。
 政治家やスポンサーや支持者を巻き込んで、熾烈な派閥争いが始まるのではないか。
 そうなれば民主党やその支持者にとってもマイナスである。
 野党が第一党の民主党でまとまる、というのは絵に描いたモチである。本気でそれが可能だ、そうするべきだと考えているのは“野党版・一党独裁制”なのである。 
  
 いや、政権交代するためには野党は1つにまとまって二大政党制でなければ……という説について。
 これは、そもそも与党が強大で野党が弱小、という間違った前提に立っている。
 確かに、小選挙区トップのみ当選制ではそうなってしまう。しかし、小選挙区トップのみ当選制は本来の民主政治とはかけ離れているということに気が付かなければならない。
 
(2大球団制)
 プロ野球ではこのほど改革を行い、巨人と阪神だけを残して後は消滅させました。
 
(2大自動車メーカー制)
 自動車業界では合理化のため合併を繰り返し、トヨタと日産だけになりました。
 
(2大プロレス制)
 プロレス業界では合理化のため、新日本プロレス全日本プロレス(或いはノア)だけになりました。
 
(2大新聞制)
 新聞業界では合理化と言論統制のため、読売新聞と日経新聞だけになりました。朝日新聞の廃刊により、朝日新聞の悪口をネタにして楽して儲けていた“朝日寄生売文家”や楽してアクセスやランキングを稼いでいた“朝日寄生ブロガー”が大打撃を受ける。もちろん産経新聞も廃刊。御用新聞は2つもいらないということ。
 
(2大政党制)
 政治業界では合理化のため、自民&公明党民主党だけになりました。
 
 こう並べると、いかに殺伐として味気ないかが分かる。
 野球は九州や広島や名古屋や東北や北海道の球団、その他の球団もあるからこそ、面白いのである。
 トヨタや日産以外のメーカーの車に愛着を持っている人も多くいるだろう。
 プロレスも、2大メジャー団体以外の団体にもコアなファンが存在している。
 新聞に関しても、産経新聞や地方新聞の熱心な愛読者はいるだろう。
 これらが皆、選択肢を減らして2つだけにしてしまうと、いかに味気ないか想像がつくだろう。
 
 政治も同じことである。
 単独野党制(二大政党制)がいい、と本気で思っていると、結局は選択肢を減らして自分の首を絞めることになる。
 
 例えば、恐ろしいシナリオが考えられる。民主党は極右からリベラルまで幅が広く、微妙なバランスにより成り立っている。ここでもし、極右グループに資金援助する組織が現れ、極右グループが勢力を拡大し、民主党内の主導権を握ればどうなるか。
 主導権を握った極右グループが自民党と連立し、「日本の困難を救うために“挙国一致”“大政翼賛”を進める」などという事態になればどうなるか。
 
「そうなれば今度は民主党を批判するのみ!」
 
と言っても、野党版・一党独裁制により、護憲政党が崩壊していてはどうなるのだ。今度は自民党公明党を応援するというのか!?
 野党が一党独裁化していれば、その野党が腐敗すればおしまいである。
 ビジネスでは、危機管理を考えて、複数の取引先を開拓しておくのが基本である。
 民主政治も、危機管理を考えて、第二・第三の野党という選択肢を温存しておくのが当然ではないのか。
   
 マスコミがPRしている単独野党制(二大政党制)で本当にいいかどうか、よく考える必要があるのではないだろうか。
 もう一度繰り返すが、憲法改悪(奴らは憲法改正という)を議論するというのならば、まず先に、選挙制度改正について議論するべきではないだろうか。国民の意見を正当に反映しない小選挙区トップ当選制から、国民の意見をよりよく反映する中選挙区複数当選制や比例代表制に改める、ということを考えるべきではないか。
 
 選挙の大勢が明らかになってから、久しぶりに政治系のブログを幾つか訪れてみると、民主党が圧勝しそうなので票を他の野党に回す方が護憲のためにプラスになる、という意見を書かれているブログがあった。こういった大局的な考え方が必要ではないか。
 大局的といえば、日本共産党の戦略が大局的でない、という批判をする方もいるだろう。
 確かにそれも言えることであるが、ここは日本共産党の個別問題は置いておいて、複数政党制(複数野党制)がいいか単独野党制(二大政党制)がいいか、という点に絞って考えて頂きたい。
 
 日本共産党といえば、パブロフの犬の条件反射のように持ち出される“民主集中制をやめろ”の批判。
 これについては私には論評する能力も熱意もない。実際の行動が良ければいいではないか、とは思うのであるが。
民主集中制”といえば、野党版・一党独裁制も“民主集中制”ではないか。
 与党を批判するといっても、立場は色々あるのである。日本共産党やら社民党やら新風やらを支持している人にまで民主党を支持せよ、民主党に票を集中せよ、と命じるのは、何と傲慢なことか。これこそ“民主集中制”ではないのか!
   
野党票の“民主集中制”は八百長二大政党制への道!  
  
 参政権とは、投票する権利と立候補する権利がある。二大政党ばかりが有利な選挙制度というのは、立候補する権利の障害になっているのではないだろうか。
 もちろん、支持を得られなければ消えて行くのは当然。それは選挙の時に有権者が判断するだろう。そのための選挙制度としては、少数政党でも立候補しやすい制度であるべき。
 得票率を良く反映するのは、比例代表性である。小選挙区トップのみ当選制なんて、得票率を不当に歪めて死票が増える愚の骨頂の選挙制度
 私が子どもの頃は、衆議院中選挙区複数当選制であり、参議院は全国単一選挙区の比例代表性であったし、学校でもそう習ったものである。
 参議院小選挙区制制を導入なんて、血迷った選挙改悪としか思えない。
 今の選挙制度は、大政党に有利で少数政党が新規参入しにくい制度なのである。すなわち、少数政党が立候補しにくいように“規制”をしているのである。
 
 選挙制度こそ“規制緩和”が必要ではないのか。
  
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☆住みよい未来を築く政治を行うためには、複数野党制(複数政党制)と単独野党制(二大政党制)のどちらがいいと思いますか。

◆複数野党制(複数政党制)が良い
◆単独野党制(二大政党制)が良い
◆その他
○結果を見る
http://d.hatena.ne.jp/minshushugisha/20070801/p2
 
締切:2007年08月20日23時00分
協力:クリックアンケート http://clickenquete.com/
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参議院選挙の制度についてどう思いますか。

◆比例投票選挙区の定員を増やすべき
小選挙区の定員を増やすべき
◆今のままでいい
◆その他
○結果を見る
http://d.hatena.ne.jp/minshushugisha/20070801/p2
 
締切:2007年08月20日18時00分
協力:クリックアンケート http://clickenquete.com/
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ブログ村政治ブログアンケート掲示板 > 【アンケート】複数野党制か単独野党制か
  http://politics.blogmura.com/board/enq/result37_20277_0.html
ブログ村政治ブログアンケート掲示板 > 【アンケート】参議院選挙の制度について
  http://politics.blogmura.com/board/enq/result37_20277_0.html
↑回答はこちらから http://politics.blogmura.com/board/37/ 
  
◆平和への結集第2ブログ ネットアンケート:「複数野党制か単独野党制か」
   http://unitingforpeace.seesaa.net/article/51225676.html
◆BLOG BLUES 護憲勢力最強のライバル小沢一郎
   http://blogblues.exblog.jp/5981356/
◆花・髪切と思考の浮游空間 自民・民主の大連立は既定の路線なのか。
   http://blog.goo.ne.jp/longicorn/e/a8d8ca3d2b6584f2389fc199597cedc6
◆平和への結集ブログ
  二大政党制は談合政治を生む http://kaze.fm/wordpress/?p=130
  民主党へは1人区でだけ投票しても野党は勝てる
   http://kaze.fm/wordpress/?p=134 
◆「ちょっと、寄ってけらっせん」−伊東勉のページ。
  第280号 参院選を終えて。−降りろ、なくなれの大合唱にうんざりだ。−
   http://plaza.rakuten.co.jp/benitoh/diary/200708010001/
◆+++ PPFV BLOG +++ 民主党の今後の動きを注視する
  http://ppfvblog.seesaa.net/article/49858908.html
( ゜Д゜)イェア!無断 トラックバック? ■[ブログ巡り]無題
  http://d.hatena.ne.jp/tokumei_r32/20070826
◆駄文 ■[diary][etc]id:minshushugisha さん復活
  http://d.hatena.ne.jp/s_kotake/20070802/p3
s(・・;) まあこのエントリーだけの限定的な復活ですが。
 しかしこのエントリーには力を入れて推敲しておきます。
トラックバック・ピープル>安倍晋三   http://www.tbp.jp/tbp_6610.html
★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK40 > 476.html
複数野党制(複数政党制)か単独野党制(二大政党制)か
  http://www.asyura2.com/07/senkyo40/msg/476.html

二大政党制と小選挙区制―アメリカ、イギリスの制度研究

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小選挙区制と新国家主義―二大政党制論の虚構

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アンケート結果

住みよい未来を築く政治を行うためには、複数野党制(複数政党制)と単独野党制(二大政党制)のどちらがいいと思いますか。
 
複数野党制(複数政党制)が良い (32票) 68%
単独野党制(二大政党制)が良い (13票) 28%
その他 (2票) 4%
 
開始:2007年08月12日/締切:2007年08月20日

2007年08月12日23時44分33秒 お名前:K
コメント:
アメリカでさえ「第三の政党が必要」と感じている人が多いそうです。私は「赤旗」読者ですが、なにわ金融道の著者も言っている通り、真実を書けるのは赤旗だけだというのが「読み比べ」の結果言えることです。二大政党制は民意を反映できません。アメリカのように多量の弱者を踏台にした社会が成り立つだけで、古代社会に逆戻りするだけです。
 
2007年08月13日08時42分43秒 お名前:gds
コメント:
赤旗や聖教の人たちは黙っててくれよ
 
2007年08月13日09時21分16秒 お名前:青い人
コメント:
バカとアホどちらを選べと言われても・・・。
 
2007年08月13日21時18分23秒 お名前:Mylene
コメント:
 一度、共産党社民党に政権を取らせてみると良い。
●その他
 
2007年08月13日23時13分04秒 お名前:ひろき(H.O.)
コメント:
選択肢は多い方がいいと思います。
●複数野党制(複数政党制)が良い

参議院選挙の制度についてどう思いますか。
  
比例投票選挙区の定員を増やすべき (14票) 41%
小選挙区の定員を増やすべき (6票) 18%
今のままでいい (8票) 24%
その他 (6票) 18%
 
開始:2007年08月12日/締切:2007年08月20日

2007年08月13日21時34分26秒 お名前:Mylene
コメント:
 参議院は今のままで良いが、衆議院は、中選挙区制に戻して、定員を増やすべき。
●今のままでいい
 
2007年08月13日23時17分59秒 お名前:ひろき(H.O.)
コメント:
分かりやすいとは思います。
小選挙区の定員を増やすべき
 
2007年08月14日22時46分30秒 お名前:どっち
コメント:
参議院」って本当にいるのかな???
   
s(・・;) ご協力ありがとうございました。
 しかし、いつも思うのですが、回答数が伸びないですね。
 いつも今度こそはと意気込むのですが、いつもの通りガックリくる結果で終わります。
 私がいくら一生懸命呼びかけてみても、クリック1回でできるアンケートすら協力してもらえないということです。私の人望のなさ、影響力のなさ、無力さがズッシリとこたえます。
 いくら頑張っても所詮この程度ですから、書くだけ無駄というものでしょう。
 止めだ、止めだこんなブログ。
 しかし、いずれまた、懲りずに今度こそはと書き、そしてまた失望して休止……というサイクルを繰り返すことでしょう。
  

二大政党制と小選挙区制―アメリカ、イギリスの制度研究

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