新聞投書に見る 小泉カイカクの果てに……

 朝日新聞投書欄の2月12日と15日に、“我が家の確定申告報告”とでもいうべき記事が掲載されていた。
 それを見ることにより、いかに小泉政権が庶民に痛みを押し付けているかの参考として頂きたい。
 
 まず、12日の73歳の御老人。年金で生活しておられるようです。
(年収)
5年前を100とすると → 昨年は63 → 今年は59
個人年金の給付期間満了が原因である」と書かれていますが、意味は分からない。こんなんで私の老後は大丈夫か?
 
所得税の増え方)
5年前を100とすると → 昨年は121 → 今年は164
 
 年収は減ってるのに何で所得税は上がってるんだ?こんなんで私の老後は大丈夫か?
 
介護保険料の負担)
5年前と比べ、昨年からは約7倍!
 
(その上)
市県民税の引き上げは必至
来年からは定率減税は廃止
やがて消費税率のアップも?
 
「これがここ数年来、我が家にもたらされた政府の高齢者対策の結果だ」
ということです。よくぞ公開して下さりました。
 
 次に、15日の68歳の御老人。こちらも年金で生活しておられるようです。
 
 05年分の年金収入額が20万円減額
「加給年金が65歳になった妻への支給に移ったためか」
と書かれていますが、意味は分からない。こんなんで私の老後は大丈夫か?
  
 それでも、課税対象額は逆に16万円も増えている!!
 
 今年から算出方法が変わり、特に65歳以上の方に厳しいそうです。
 
(さらに)
05年分から公的年金の控除額も減らされている
老年者控除は廃止
 
(一方で)
成立した国会議員年金の廃止法案は名ばかりの「温存法案」
 
 小泉政権が一般庶民に重税を課し、ふんだくるという方針なのは明らかであろう。
 一方、利益が大きいはずの大企業に対しては優遇しており、税率はどんどん減っていっているということは、当ブログでも何度も指摘してきた。
 どこに書いたか思い出せないが、一番近いところで
  http://d.hatena.ne.jp/minshushugisha/20060120/1137676482
この辺りに書いている。↑
 結局、企業献金をくれるスポンサーに対しては税率を減らしてやり、それで足りなくなった分を一般庶民の税率を上げて取り戻そうとしているのである。
 これこそ、収入の多い勝ち組は税金負担が小さくなり、収入の少ない負け組は税金負担が大きくなるという逆進性の“21世紀的階級制社会”である。
 阿呆だね、日本国民は。こんな独裁者を熱狂的に応援しているのだから。悪性のヒステリーである。
 
 朝日新聞3月8日オピニオン面に、
辺見庸さんと考える 小泉時代とは
後の世に顔向けできるか
「劇場」と「観衆」の5年間

 
という記事が掲載された。
 その冒頭、興味深いので少し長くなるが引用する。

「一犬虚に吠ゆれば万犬実を伝う」という。1人がでたらめを語ると、多くの人々がそれを真実として広めてしまうものだという後漢のたとえである。小泉執政の5年くらいこの言葉を考えさせられたことはない。
 私の興味は「一犬」の正体や小泉純一郎という人物のいかんにあるのではなく、「万犬」すなわち群集というものの危うい変わり身と「一犬」と「万犬」をつなぐメディアの功罪にある。
 もっといえば、21世紀現在でもファシズム(または新しいファシズム)は生成されるものか、この社会は果たしてそれを拒む文化をもちあわせているのだろうか―という、やや古典的な疑問を持ちつづけている。

 私の問題意識に触れるものがあり、長々と引用させて頂いた。
 辺見氏はまたフランスの作家でメディア学者のレジス・ドブレの以下の文も紹介している。
「今や政治はショーかスポーツの様相を呈し、市民の政治参加はサポーターの応援合戦のようになりつつある」
ファシズムよりましというだけで、民主主義ではない」
 
 この論考、納得できる。
 先日にほんブログ村の更新欄で、この記事について書いているブログを見つけ、たまたま読んだ。熱心な小泉信者というそのブログ主は、辺見氏の意見を批判する。
「日本国民は小泉改革を望んで小泉政権を選んだ。日本国民の判断と選択は正しい」
 そして、日本のためには小泉カイカクは絶対に必要であり、
「小泉カイカクによって日本の赤字はなくなる。
 もし小泉カイカクが頓挫してしまえば、赤字埋め合わせのために増税が必要となる」
という意見を述べられていた。
 
s(・・;)  小泉政権増税やってますよ。
 
 小泉カイカクがなければ増税が必要となる、という珍説を披露して辺見氏を批判しているこのブログ主が全くの頓珍漢であることは、冒頭で紹介した新聞投書を見ても明らかであろう。
 全く、小泉様を信じていれば何でもうまくいく、とマインドコントロールされたこのブログ主、典型的な“B層”である。さらに“AKA”を付け加えてもいい。小泉真理教、もしくは小泉真理狂である。
 これでは北朝鮮の人々を笑えない。
 北朝鮮は完全に独裁体制で支配されているが、日本は小泉独裁体制が未だ完成途上にあり、不完全ながらも民主体制である。なぜ好き好んで独裁者の奴隷になろうとするのか?
 強制的に独裁者の奴隷とされた人々と
 自発的に独裁者の奴隷になろうとしている人々。
 前者は悲惨であるが、後者は馬鹿者である。
 
 朝日新聞のコラムつながりで、3月7日の
「袖のボタン 丸谷才一 共和国と帝国」
を紹介する。
 アメリカの知識人にとっても、現在のアメリカが共和国か帝国かという議論はあるそうである。
 丸谷氏はリチャード・ローティという哲学者のアメリカ論について書いている。

 彼の答は簡単だ。合衆国はローマ共和国同様、腐敗した金権国家であるが、しかし独裁国家ではないから帝国ではないというのである。合衆国は今でもまだ立憲民主国だし、選挙結果が国政を変える。言論の自由はあるし司法は独立している。だから希望はある。帝国なら暴君の暗殺しか救済策はないが、合衆国では悪い大統領は選挙民の判断でやめさせることができる。

(脱線するが、日本では政権交代は可能だろうか?圧倒的な組織力を持って選挙を支配するカルト宗教政党が与党に入ることで政権交代が非常に難しくなっているのが現実。
 政権交代を可能にするためにはインチキ二大政党制ではなく、憲法20条を守って政教分離を実行することである!)

 しかしローティ教授は、潔白だと思い込んでいた過去がずいぶん汚れていることに気づいたとき、それなら未来を立派なものにすればいいし、またそれしか手はないと考えた。(中略)
 こういうふうに未来を含むものとして歴史を考えるのはわたしの好みに合うし、それに筋が通っていて穏当な態度である。 

 新しい歴史教科書を捏造る会新しい歴史教科書をつくる会が分裂しているようだが、どちらにしても過去を捏造しようとしている連中ということは変わりはない。
 辛い過去を書き換えてなかったことにしようとするのは弱い姿勢である。
 辛い過去を直視して乗り越え、未来を創っていくことが本当の強さではないのか。
 
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 何だかんだ言っても、組織力があるのはネット右翼である。
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