科学評論家・上草一秀さんが“偽装科学”を批判
「水に『美しい国』などの『美しい言葉』を見せると、きれいな結晶ができて、『憎いし苦痛』などの『美しくない言葉』を見せると、きたない結晶ができる」というのが「水からの伝言」というお話です。テレビで芸能人が取りあげたこともあるし、小学校の授業の教材として使われたこともあるそうです。
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しかし、これまでの科学の知識から考えれば、水が言葉の影響をうけて結晶の形を変えるということは、けっして、ありません。本や写真集には、実際に試してみたという「実験結果」がのっています。でも、これは、実験する人の「思いこみ」が作りだした「みかけ」だけの結果だと考えられます。ただの「お話」と思って聞くならいいかもしれませんが、事実だと思うのはよくないでしょう。
それに、どんな言葉が「美しく」て、どんな言葉が「美しくない」かは、私たち人間がいっしょうけんめいに考えるべき、人の心についての大切な問題です。水に答えをおそわるような問題ではないはずです。また、「きれいな結晶なら、美しい言葉」というように、見た目のきれないなものが「美しいものだ」と決めているのも、私には、おかしく思えます。ものごとを、見かけだけで決めてしまっていいのでしょうか?
人の心は、すばらしい力をもっています。ほかの人たちを思いやる心、愛と感謝の心は、とても大切です。しかし、それと「水が言葉の影響をうける」という「お話」には、なんの関係もありません。
私たちは、学校の授業など、教育の場に「水からの伝言」をもちこむのは、絶対によくないことだと考えています。
(実験の方法)
ワープロで「美しい国」「憎いし苦痛」などと印刷した紙を、ちゃんと水に文字が見える向きにして、水を入れた容器にはりつけておきます。そして、そこから取り出した水を使って、マイナス二〇℃以下の冷凍庫で三時間ほど凍らせて結晶を作ります。
この結果は、まさにおどろくべきものになりました。「美しい国」などの美しい言葉を見せた水は明らかに、六角形のきれいな形の結晶をつくりました。それに対して「憎いし苦痛」などの美しくない文字を見せた水は、結晶がばらばらに砕け散ってしまいました。
この実験が教えてくれることは、私たちが日常口にしている言葉がいかに大切か、ということです。美しい言葉を発すれば、そのバイブレーションは物をよい性質に変えて行きます。しかし美しくない言葉を投げかければ、どんなものでも破壊の方向へと導いてしまうのです。
美しい言葉:「美しい国」「教育勅語」「大日本帝国憲法」でできた結晶の写真
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美しくない言葉:「憎いし苦痛」「教育基本法」「日本国憲法」でできた結晶の写真
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しかしこれは正確ではありません。
このようなばらつきの大きい実験では、実験している人のちょっとした思いこみと一致するような結果だけが選ばれて、まるで意味のある結果がでてきたように見えてしまうことが多いのです。たとえば、「これは、『美しい国』を見せた水だぞ」と思いながら観察すると、ついつい、きれいな結晶に注目しやすくなるでしょう。逆に、「これは『憎いし苦痛』だ」と思いながら観察すると、ついつい結晶をみのがしてしまうということもあるでしょう。そうすると、結果として、「美しい国」のときには、きれいな結晶がみつかりやすく、「憎いし苦痛」のときには、きれいな結晶はなかなかみつからない、ということになります。
「美しい国へ」にでてくる国の未来像は、「カルト崇拝は美しい」という思いこみと話が合うよう、じょうずに選ばれたものだと考えるべきだと思います。宗教の信者となった人たちは、そういうことを考えず、自分たちの思いこみにあうようなヤラセ体験談を無意識に選んでしまっているのかもしれません。
【この記事のヒントを与えてくれたサイト】
「水からの伝言」を信じないでください
http://www.gakushuin.ac.jp/~881791/fs/
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