加藤友三郎とワシントン条約

【戦争前の記録】Vol.006 発行部数:3部
  戦争に向かう日本。
   同時代に生きる当事者として日々思うことなどを徒然と
    後々の世のために記録していきます。
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加藤友三郎ワシントン条約
 大正から昭和初期、第一次世界大戦第二次世界大戦の間の時代、日本にこの
ような軍人政治家が存在していたとは。
 
NHK総合2月16日(水)
その時 歴史が動いた
 「日米攻防90日 国際軍縮を実現せよ!
   〜ワシントン会議・全権加藤友三郎の挑戦」
 
 当時、ヨーロッパでは、第一次世界大戦での戦争の被害の記憶が生々しく、軍縮
と国際協調の風潮が広まっていた。
 そこで、アメリカの呼びかけにより、ワシントンで軍縮会議が開かれたのである。
 
 その軍縮会議に日本全権として出席したのが、海軍出身の海軍大臣加藤友三郎
であった。
 
 当時日本は経済的に不況にあり、軍事費が国家の財政を圧迫していた。
 合理的な政治家である加藤は、軍事費を縮小して国民の生活を潤すべきだと考える。
 また、世界的な軍縮の風潮から孤立するのも日本の将来にとって良くない。
 
 しかし加藤の出身母体である海軍は、海軍の兵力増強を目指していた。
 加藤は、身内から圧力をかけられるのである。
 
 しかし加藤は、軍縮条約締結のため、全力を尽くす。

 国防は軍人の専有物にあらず。戦争もまた軍人のみにてなしうべきものにあらず。
 (中略)
 民間工業力を発展せしめ、貿易を奨励し、真に国力を充実するにあらずんば、如何に軍備の充実あるも活用するあたわず

 加藤は、国防について、軍事力のみならず、経済力など総合的な力で行うものだと
いう先進的な考えを持っていた、という興味深い指摘があった。

 これは、現在でも、いや、現在こそ言えることではないだろうか。
 今なら、情報力や交渉力なども含まれるか。それに人道や倫理、哲学といったものを
加えてもいい。憲法というのも含まれる。

 加藤はまたこのような言葉も残している。
 
「国力ヲ涵養シ、外交手段ニ依リ戦争ヲ避クルコトガ、目下ノ時勢ニ於イテ国防ノ
本義ナリト信ズ」
 
 ブッシュはこれと逆のことをやり、小泉はこれと逆のことをやろうとしているのでは
ないだろうか。

 加藤の決死の努力により、1922(大正11)年2月6日、ワシントン会議において史上初の国際海軍軍縮条約が調印された。
 
「今回の軍備制限は永久的のものと思うて安心することあるべからず」
 
 後年、加藤の心配はまさに現実のものとなったのである。
 
 
 現在の日本の政治を見ると、加藤友三郎に匹敵する政治家はいるだろうか。
 
 自民党にも宮沢喜一河野洋平加藤紘一といったハト派政治家の系譜があったのだが、目立たない。
 野中広務田中真紀子などもハト派かと思われるが、スキャンダルで失脚した。
 一方目立っているのは、小泉・安倍・中川・石破などのタカ派である。
 石原慎太郎も一部では時期総理候補と言われているようである。
 
 軍国主義に傾く風潮を憂慮するする人にとって、当時の歴史的事実から学ぶことは大いにあるだろう。

 また、現在、「日本の国益のためにはアメリカに従うべきだ」と主張しているポチと言われる人々は、加藤友三郎ワシントン条約に関する歴史についてどのような論評を下すだろうか。
 
 なお、この番組、再放送が行われるそうなので、ぜひ見て頂きたい。 
 
<再放送>
平成17年2月25日(金)(※木曜深夜)0:15〜0:58 総合 全国放送
 
 その時歴史が動いたHP http://www.nhk.or.jp/sonotoki/
 
加藤友三郎 ウィキペディアWikipedia)より
  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8A%A0%E8%97%A4%E5%8F%8B%E4%B8%89%E9%83%8E
 
蒼茫の海―海軍提督 加藤友三郎の生涯 (集英社文庫)
 
 
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