戦争に反対した人にはどんな人がいたのか
【平和と民主主義を考えるための覚え書き】Vol.035 発行部数:45部
戦時体制に向かいつつある日本。
同時代に生きる当事者として日々思うことなどを徒然と
後々の世のために記録していきます。
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【戦争に反対した人々の行動と歴史に学ぶ必要】
『男たちの大和/YAMATO』という映画が公開中らしい。
これが、公式サイト。
http://www.yamato-movie.jp/
あまり関心なかったのだが、新天地で活動を再開した反米嫌日戦線「狼」(美は乱調にあり)さんが
萎えた『男たちのヤマト』
http://anarchist.seesaa.net/article/10812032.html
トホホ映画『男たちの大和/YAMATO』に感動ですと!?
http://anarchist.seesaa.net/article/10882147.html
の2本のエントリーで書かれていたのでそこから連想が広まり、このエントリーを書くことになった。
まず、“YAMATO”と横文字を使うことからしていけない。
横文字を使えば格好いいので現代の若者に受けるだろうと考えたのだろうか。
原作にもない横文字をタイトルにくっつけた時点でこの製作委員会の連中はマトモではないことが分かる。
そういえば、東条英機を賛美した国策映画も横文字のタイトルだった。
原作も読んでいないし映画も見ていないので何とも言えないが、この映画は単に復古調に軍国主義を賛美して
「格好ええなあ〜」
と思わせて世論を洗脳する映画ではなさそうである。
(先の『プライド』とかいう映画はレンタルして見て、軍国主義賛美映画と判断した)
というのは、最近朝日新聞だったか何かで、この映画の原作者辺見じゅんが父か祖父かについて語ったインタビューが掲載されていて、それを読んでいたからである。
そこで辺見じゅんは、自分が父(か祖父)の戦争体験を語り継ぐ番だと思って書いた、と述べていた。
それは戦争をしてはいけないというメッセージとも読めたのである。
これだけの短い記事だけを読んで判断するのは危険だが、少なくともそのインタビューからは曽野綾子や上坂冬子や櫻井よしこのようないかがわしさは感じなかった。
『男たちの大和/YAMATO』については、たまたま「9条を守ろうブロガーズリンク」つながりで立ち寄ったねこまんまさんも書いています。
ねこまんま 男たちの大和
http://blog.aguri.egoism.jp/?eid=379918
「この少年たちの悲劇を過去の話だと受け取ってはいけない。次は貴方の番です。」
「貴方の番」と言うのは、「こんな人たちがいた。貴方もそうなれ」と言いたいのか、今、武装化を進める日本に対する警告なのか、ずっと気になっていました。
結局、その答えははっきりとは語られなかったと思います。
パンフレットで「反戦とは言葉で表すものではない」とおっしゃっているので、「それぞれで感じてくれ」ということか。
と書かれていて、この映画が『プライド』のように好戦的立場に立って作成されたのか、それともその反対なのか、判断が保留されています。
作者の辺見じゅんについて書くと、私は全然知りませんでした。
『私はブッシュの敵である』を書いた人が実は女の人で、今回は戦艦大和について書いたんか、と思っていたのですが、辺見庸の間違いでした。
はてなキーワードで見ると、辺見じゅんはすごい家系の人のようです。
結局は私自身が原作や映画から判断しないといけないので、今回この映画に対する論評はここまでにします。
さて、『男たちの大和/YAMATO』は、戦争に行って戦った人を描いている。
また、戦争に行かずに国内で銃後の守りをしていた人々の戦争体験を描いた作品もある。
『はだしのゲン』『ガラスのうさぎ』『火垂るの墓』などがそうである。
また一方で、戦争に反対した人もいたはずである。
政治は大政翼賛会で御用政治家ばかりとなり、軍部が独走し、マスコミが大本営発表を垂れ流し、隣組制度で国民が一丸となって戦争に総動員されている時、それでも良心と良識に則って信念を曲げずに戦争に反対した人々もいたはずである。
また、口には出しては言えないが、表面上は戦争に協力していながら、心の中ではこんなことではいけない、こんなことをしていれば日本は世界から孤立し・滅びる、と思っていた人もいたはずである。
そのような人々のことが知られるべきだと思う。
例えば、このブログでも何人か紹介してきた。
桐生悠々
■[御用マスコミが伝えない真実]ブログチェック11月号
http://d.hatena.ne.jp/minshushugisha/20051104/1131114794
添田唖然坊
■[覚え書き]添田唖然坊とノンキ節
http://d.hatena.ne.jp/minshushugisha/20050217/1131885920
水野広徳
■[覚え書き]水野広徳海軍大佐―二十世紀の平和論者
http://d.hatena.ne.jp/minshushugisha/20050220/1131978935
加藤友三郎
■[覚え書き]加藤友三郎とワシントン条約
http://d.hatena.ne.jp/minshushugisha/20050222/1132320647
幣原喜重郎・吉田茂
■[覚え書き]憲法九条は押し付けではなかった……という仮説
http://d.hatena.ne.jp/minshushugisha/20050305/1132714221
渡辺白泉・鶴彬
■【覚え書き】Vol.024 独裁が選挙の後に待っていた とさせないために……
http://d.hatena.ne.jp/minshushugisha/20050821/p1
■[覚え書き]渡辺白泉「戦争が廊下の奥に立つてゐた
http://d.hatena.ne.jp/minshushugisha/20091008/p1
はだしのゲン
■[覚え書き]『はだしのゲン』、好評につき増刷!
http://d.hatena.ne.jp/minshushugisha/20050810
他にも、宮武外骨など、探せば沢山いるはずである。
また、新聞赤旗日曜版に連載中の早坂暁の小説『花へんろ』も、戦争に反対した人々について書かれている。
花へんろ―風の昭和日記
こういった人々こそ、あんな政治家や軍人達に日本の政治を任せてはいけない、と信念を持って戦争に反対していたはずである。
これもまた、国を愛する行為であり、国を守る行為ではないだろうか。
yoshiさんは書いています。
chambre de yoshi 「「平和」や「非戦」は「野暮ったい」か」
http://red.ap.teacup.com/solidarite/110.html
平和や民主主義を守るために堂々と言論を主張し、曲げないことこそ格好いいことだ、というイメージが一般的にならないといけません。
言論弾圧が現実化していく現代、言論弾圧や暴力に負けずに民主主義や平和を守るために発言・行動した人々についてもっと知られる必要があるのではないだろうか。
そして歴史に学ぶ必要があるのではないでしょうか。
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開始:2005年12月23日/締切:2005年12月31日18時
投票数:1票
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今回、その他に1票のみ、コメントはありませんでした。
今後もっと投票&コメント頂けるよう努力していきます。
(追記)
思いて学ばざれば ■[あれこれ]一人歩きする戦争観
http://d.hatena.ne.jp/mujin/20051224
「男たちの大和〈YAMATO〉」という映画は反戦映画として作られた(少なくとも監督はそのつもり)が、メディアや出演者や観客はそう受け取らず、「愛する者のために戦い、死ね」というメッセージを読み取り、それを受け入れたよという話。
映画成立までのいきさつがどうこうということよりも、監督さえ口にしていないメッセージがいつのまにか出来て、いつのまにか拡がり、いつのまにか受容され、共有されている現状にマジびびった。
これも時代の空気がなせることか。
海上自衛隊全面協力映画「男たちの大和」内実は、朝日新聞系メディアが応援する反戦映画?
http://www.asyura2.com/0510/bd42/msg/366.html
▼CLick for Anti War 最新メモ 『大和』で泣くのは、中二まで。(@∀@)
http://d.hatena.ne.jp/claw/20051224
反米嫌日戦線「狼」(美は乱調にあり)
ひつこく【男たちの大和/YAMATO】 監督の意図とズレてしまった観客の奇妙な感動
http://anarchist.seesaa.net/article/10983261.html
しつこく『男たちの大和/YAMATO』ネタ 片道燃料はウソです
http://anarchist.seesaa.net/article/11014140.html
陸軍残虐物語 [DVD]
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