昭和30年代と戦後民主主義
【平和と民主主義を考えるための覚え書き】Vol.036 発行部数:46部
戦時体制に向かいつつある日本。
同時代に生きる当事者として日々思うことなどを徒然と
後々の世のために記録していきます。
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正月ということで新年の挨拶を書かれているブロガーの方もおられます。
戌年の今年、「愛犬家」ならぬ「愛憲家」を宣言しよう、とのエントリーを私が書いたのは12月30日。
このエントリーは正月にふさわしいということで、もう一度リンクしておきます。
■「愛憲家」宣言
http://d.hatena.ne.jp/minshushugisha/20051230/1135949870
ついでといっては何だが、もう一つ正月らしい(?)話題を。
ようです。
言うまでもなくその筆頭が『ALWAYS 三丁目の夕日』でしょう。
上に紹介した朝日新聞の記事では、日曜読書欄の「話題の本棚」コーナーで、
昭和レトロ TVに漫画 五輪に下町
懐かしい温かさ すべてが輝いて見えた気がする
というテーマで何冊かの本を紹介しています。
また、週刊文春2006年1月5/12日新年特大号 では、“ノスタルジックエッセイ”と銘打って
『昭和30年代7つの風景』
という小特集が組まれています。
HPには
「東京タワー」松山巌/「テレビ」永六輔/「オート三輪」佐々木譲/「力道山」村松友視/「ザ・ヒットパレード」阿久悠ほか
と紹介されています。
私は未見ですが、7人の方が昭和30年代を象徴する上のような事象についてエッセイを書いているのでしょうか。
昭和30年代については私が生まれてもいないわけですが、『三丁目の夕日』などを読んでみると、人々は貧しいながらも一生懸命働けば報われた時代ではないでしょうか。
■[21世紀型階級制社会]日本型終身雇用・年功序列制から21世紀型階級制社会へ
http://d.hatena.ne.jp/minshushugisha/20051213/1134489501
で述べたように、この時代、日本型終身雇用・年功序列制が機能していました。
この時代、働けば夢が持てる時代ではなかったでしょうか。
一方今の時代、労働環境はかなり悪化しています。
大量リストラによって、残った社員は過労死寸前まで働かされ、サービス残業させられます。
一方、派遣だとかパートだとかいう名目で使い捨て同然のように働かされる人々もいます。
『下流社会』『年収300万時代』と言われる、ごく一部のボロ勝ち組と大多数のボロ負け組に二極分化される21世紀型階級制社会が到来しています。
一度負け組になってしまうと、子どもに教育費をかけることが難しくなります。
それどころか、結婚や子育てすらあやうい時代です。
勝ち組は何とか子どもに教育費をかけることができます。
階級が固定化する階級制社会です。
働けば収入の向上や出世を夢見ることができた昭和30年代。
リストラや倒産の危機に直面し、ベアゼロは当たり前となり、サービス残業や過労死に直面したり、ボーナスがもらえず保険も安定しない派遣やパート社員となって働く現代。
進歩どころか、日本は民主制社会から独裁制・階級制社会に退化したのではないでしょうか。
そして昭和30年代は、戦後民主主義が今より輝いていた時代ではなかったでしょうか。
「戦後民主主義」という言葉や概念、今ではなぜか否定的な意味で使われることが多い。
それは、「護憲」という言葉もそうです。
「戦後民主主義」が後退した現代、教育基本法の改悪が主張され、学校で日の丸・君が代が強制させられています。
そして国会では改憲派が大多数を占めています。
独裁制や階級制では人々は希望が持てず、夢を見ることができません。
昭和30年代にノスタルジーを感じるのは、独裁制や階級制に移行しつつある現在、無意識にそのことを感じているからではないでしょうか。
(追記)
正月2日に
「君こそ総理だ2006 イケメン議員を女100人が品定め」
なるTV番組が放送された。
関西ローカルだろうか、関西の若手イケメン議員(自民、民主2人ずつ)を登場させ、トークショーなどさせて会場の女性100人に人気投票させるというもの。
今の政治家は、政治家の家系に生まれたりイケメンだったりタレント性で評価されるというのか。
これでは民主制ではない、世襲制或いは封建制、衆愚制、人気投票制とでも言うべきものである。
まさしく現在の日本から民主制が消えつつあることを思わせる頽廃番組であった。
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