政策を批判しても生まれを批判するなかれ

 少し前、キッズgoo http://kids.goo.ne.jp/ のフィルタリングがネトウヨ系のブログでひとしきり話題になっていた。
 この問題について阿修羅掲示板ではどのような意見が出ているか興味あったが、サイト内検索しても出てこない。出なかったのだろうか。
 先ごろ、土佐高知さんがこのことについて書いていたので私も書いてみることにした。
 
土佐高知の雑記帳 「特定日本人」の玩具
  http://jcphata.blog26.fc2.com/blog-entry-243.html
 
 さてその前に知っておきたいニュースがある。
 ビデオニュースがオーバーチュアを提訴した事件である。
 
★阿修羅♪ > ビデオニュースがオーバーチュアを提訴 videonews.com
  http://asyura2.com//0505/it08/msg/551.html
情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士
  http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/d0ead0cce2a3316baadb2bb20cae274e
 
 詳細は上のリンク先を見て頂きたい。
 簡単に流れを見てみると、『ビデオニュース・ドットコム』 http://www.videonews.com がヤフー子会社のオーバーチュアと検索エンジン連動型広告掲載の契約を結んだところ、

2005年 5月頃 当初は順調に広告が掲載され、それに準じてアクセスも増えていたが、この頃からなぜか特定のキーワードがはじかれる(広告掲載が拒否される)ようになった。はじかれたキーワードを見てみると、「憲法改正」「靖国参拝」「中国反日デモ」のような政治的にデリケートなキーワードが多いことがわかった。

誹謗中傷の表現は撤回されたものの、やはり「特定の組織・団体への批判と見受けられる表現がある」ことを理由に、広告掲載の拒否は正当であるとの答え。

報道を生業としている以上出演者が政府を批判したり、反対政党を批判することはあるが、それは他の報道機関も同じはず。「批判が全部ダメということになるとオーバーチュアでは他の報道機関の広告も扱わないということか」と問いただしたところ、「そんなことはない」との回答。実際、ヤフーの検索連動型広告には、産経新聞やTBSのニュースを扱うGYAOの広告がよく出ている。また、「正当な批判と、不当は批判があるではないか」との主張に対しては、「御社(ビデオニュース)は大いに批判をされたらいい。しかし広告は出せない」との答え。

……というやり取りの末、提訴となったのである。
 
 なお、阿修羅掲示板トップページには
「当サイト★阿修羅♪は、ヤフーではどんな単語を検索しても全くヒットしません。2005/12現在  グーグルだとトップ」
という記述があります。
 
 さて、キッズgoo問題について先日来、ネトウヨ系ブログがひとしきり書いていたようである。
 何でも右派系のサイトがフィルタリングされる一方でリベラル系のサイトが表示されるということで問題になっていた。
 しかし時がたつにつれ、ネトウヨ系のブログでも冷静な意見が出てきた。
 色々試した結果、右派系ブログでも表示されたり、リベラル系のブログでも表示されないという報告もちらほら出てきた。
 また、単にフィルタの性能が悪くて過大に除外されているだけでは、という意見もコメント欄を中心に出てきていた。
 あるブログでは、
「変更した思考を押し付けている」
というような意見の文章を書いていたが、それを横線で消して
「単にフィルタの性能が悪いだけではないかというおそれも出てきたので、現在のところ保留しておきます」
と断っていた。
 
 私はキッズgooのフィルタリング機能については全く知らないのでこの件について語る気はない。しかし、右派系のブログに反省すべき点を指摘する部分はある。
 はからずもネトウヨ系のブログのコメント欄に、
「子ども時代には世界中みんな仲良くと思っている方がいい。大人になってもそう思っているのではいけないが」
といったような意味のコメントが書かれていたが、まさに言いえている。
 
 ネトウヨ系のブログでは彼らが名づけたところの「特定アジア」と言われる国々を批判することが多い。彼らは「特定アジア」の話題が大好きで、非常に執着している。これらの国の出身者がニュースになると、待ってましたとばかり喜び勇んで群がっていく。(「特定アジア」の話題が大好きでそれに偏執しているので「特定日本人」と呼ぼう。)
 
 しかし、例え頭の中身が嫌いでそれを批判するのはよしとしても、勢いあまって生まれを批判するのは良識に欠けるのではないか。
 
 霍見芳浩(つるみよしひろ)(ニューヨーク市立大学教授)が、アメリカでは人種差別は良識ある人は絶対に慎まなければならないマナーである、と書いていた。
レイシスト(人種差別者)はレイピストより悪く言われる」
という風に紹介していた。まあレイピストも悪いには違いないし、それに竜巻事件の時には人種差別のようなニュースも報道されていたので、霍見さんの親しいかなりモラルが高い教養が高い層のことを言っているのでしょうが。
 
 そんな目でネトウヨ系のブログを見てみると、人種差別にまで行き着くような表現も見受けられます。
 頭の中を批判するのは仕方ないのである。
 しかし生まれそもものを批判対象にするのは良識に反することなのである。
「中国人だから」「韓国人だから」「朝鮮人」だから
という理由で批判するのはマナー違反なのである。
 
 政策ではなく「中国」「韓国」「朝鮮」という国や民族そのものが批判対象となっている。これこそまさに民族差別であり、ヘイトサイトである。
 
 日本にもメイドインチャイナやメイドインコレアの商品が沢山入ってきている。
 私を含め、一般的な国民はこれらなしでは生活しにくくなるであろう。
 否応なく我々はこれらの国と、地政学的にも経済的にも密接に結びついているのである。
 商売上の取引先では、内心はどうあろうとも表面的には何事もなく付き合わねばならない。日本のビジネスマンとしてこれらの国とは戦争ではなく、経済的な付き合いをしていくのである。それが“国益”というものであろう。
 
 そのような子ども達に、中国や韓国や朝鮮への憎悪・敵意・憎しみをあおり立て、戦争を煽っているようなサイトは有害であり、“国益に反する”のである。
 
 もちろん政治家はずるいものだから、確かに日本にとって理不尽なことを言っている場合もある。
 そのような場合は、“政治家として”批判するべきなのである。“中国の”“韓国の”“北朝鮮の”という形容は切り離すべきなのである。
 
 私も小泉その他タカ派政治家やタカ派学者を批判することもあるが、それは頭の中身を批判しているのである。決して生まれを批判しているのではない。
 小泉を「日本人だから」と言って批判してはいないのである。
 
 また、自分の国の政府を批判することは決して反逆ではない。民主主義だからこそ政府批判が許され、政府批判があるからこそ民主主義が機能するのである。
 真っ当な政治批判を「反日的」と弾圧することこそ、独裁制なのである。
 
 ネトウヨ達は政策や考え方のみならず、生まれ(民族)までも批判する。生まれ(民族)そのものを批判する。これこそヘイトサイトである。
 こういった人種差別・人種的偏見を子ども達に押し付けるサイトは有害である。
 
 そしてネトウヨのブログにそんなヘイトサイトがあれば、フィルタリングが厳しければ相互リンクやトラックバックで連なっているブログが軒並みフィルタリングされるということもありうるのではないか。
 
 以上念のため断っておくが、私が個人的に考えていたことであって、決してキッズgooの見解を代弁しているのではない。

憎しみや怒り・対立をあおれば行き着くところは争いや戦争。
戦争は日常生活の“破壊”である。
日常生活の“破壊”を目指すのは“保守派”ではなく“破壊派”である。
「節度と寛容」のない愛国主義は危険である。


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★阿修羅♪ > キッズgooのフィルタリング問題
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