「本当に希望が持てる国、日本」 の作成が必要

しんぶん赤旗2007年2月4日号より
◆1◆御手洗ビジョン 財界の“国盗り”計画
 森岡孝二さん(関西大学経済学部教授 株主オンブズマン代表)に聞く
 
 日本経団連は1月、今後10年の日本の方向性を展望した
希望の国、日本」(「御手洗ビジョン」)を発表し、具体化しようとしている。
(以下、記事より引用)
 
御手洗ビジョン」は、財界による国家乗っ取り計画という性格を持っていると思います。
「ビジョン」には、労働法制改悪にとどまらず、法人税引き下げや、消費税率引き上げ、社会保障の切り下げ、憲法「改正」まで盛り込んでいます。
 
 財界もある時期まで、いろいろと要求を政府にいっても、国民生活を破壊するような政策には慎重でした。
 今は、露骨に大企業の要求だけを通そうとしています。
 
 経団連は1993年に政治献金のあっせんをやめましたが、奥田碩前会長が2003年、再開することを決めました。
 いまでは、毎年、自民党民主党などの政策を点数で評価して、それをもとに会員企業に政治献金を促すまでになっています。
 政治献金は政治腐敗の温床でもあることをとくに強調しておきたい。
 
ホワイトカラー・エグゼンプションの法案提出見送りについて)
 しかし、厚生労働省や財界から、激しい巻き返しが起こっています。巻き返しが失敗しても、また選挙が終われば、提出してくる危険も大きい。
 
 いまの法律では、もし、本人が労働基準監督署に申告すれば監督指導が入るし、裁判に訴えれば労働者が勝訴します。
 それをさせないように、「ビジョン」は違法状態である現状を合法化し、さらに拡大するものです。
 
s(・・;) 
 こうした度を越した財界の要求に対して厚労相がいさめる場面も。
「ところで、柳沢厚労相は、11月30日の経済財政諮問会議で、派遣労働法の直用義務の撤廃など財界=キヤノン御手洗や、御用学者=八代の「規制緩和」要求のあまりの勝手ぶりに、呆れて、

「労使自治で労使が対等の交渉ができるかというと、実際の力関係から言ってできない、という考え方で労働法制ができている。これを全く平等でフリーマーケットでやれるなら、民法でやればいい。何のために労働法制が制定されたか。最低限の労働者保護規定を設けることは労働法制の一番の基本なので、そこはしっかり考えていただけたら大変ありがたい」

と発言しています。」
(ろーやーずくらぶ 柳沢厚労省ホワイトカラー・エグゼンプション導入を重ねて言明
  http://yaplog.jp/lawyaz-klub/archive/1915 
 推進派の“あきれた”語録!!
  http://www.kki.ne.jp/akaruku-tsb/topics-RoudouBigbang0612.html )
 
 現在、“産む機械”発言で問題になっている柳沢厚労省は確かにWCE推進には変わりないのですが、その柳沢厚労省すらもあきれるくらい財界の要求があつかましいということです。
 しかしここで引用した柳沢厚労省の発言は正論。この点だけは評価してもいい。
 
s(・・;) 
……ということで、「希望の国、日本」(御手洗ビジョン)について調べてみました。
 
R25 > ランキン レビュー > 経済 > 御手洗ビジョン
 経団連の「御手洗ビジョン」から見る日本の未来とは?
  http://r25.jp/index.php/m/WB/a/WB001120/id/200701181103
「そこで御手洗ビジョンが掲げるキーワードはイノベーション(=革新)。様々な改革を断行し、希望が持てる国にしなければならないとしています。
 具体的には、400万人減少するといわれる労働人口を確保するために、
「高齢者や女性、外国人の雇用を促進」。
「宇宙の利用・産業化の促進」
消費税は2011年度までに2%程度の引き上げる」。
 企業の国際競争力を高めるため、「法人税の実効税率を30%程度まで引き下げ」。
 また「2015年度までに道州制を導入」する。「憲法改正」などなど。
 
 その結果、2015年までに年平均2.2%の実質経済成長、名目で3.3%の経済成長を実現できるとしています。」
 
◆覚え書き ■[新聞]新年早々これかよ・・・・ 御手洗ビジョン(追記しました)
  http://d.hatena.ne.jp/sava95/20070101/p2
  
池田信夫 blog 「希望の国、日本」に書かれていない絶望的な未来
  http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/8ce9f5fcb28b22629bdee70b06092c0d
  http://b.hatena.ne.jp/entry/http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/8ce9f5fcb28b22629bdee70b06092c0d
「全体に説教くさく、「精神面を含めより豊かな生活」とか「公徳心の涵養」などの精神論が多い。行財政改革に多くのページがさかれ、労働市場について「ビッグバン」を提唱しているが、実はもっとも重要なメッセージはここに書かれていないことにある。145ページの冊子の中に、日本経済の最大の課題である資本市場改革についての記述が1行もないのだ。」
 
◆財界のための「希望の国」か
 日本経団連の経労委報告 雇用・労働“無法地帯に”
  http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-12-20/2006122005_01_0.html
「日本経済を健全な発展軌道に乗せていくため、賃上げや安定雇用によって労働者・国民の家計を豊かにし、社会保障の切り捨てや庶民増税など国民負担増路線を改めることが求められます。」
「報告は「われわれは日本を『希望の国』にしたいと考える」といいますが、浮かび上がってくるのは財界にとっての「希望の国」でしかありません。」
  
s(・・;) このような提言をした御手洗氏自身はどうなのか。偉そうに国民に訓示を垂れる資格はあるのか。
 
 まず、どさくさまぎれに自分が得をしようとしているのが胡散臭い。
法人税の実効税率を30%程度まで引き下げ」
を言う一方で、
「消費税率アップ」
を言う。
 法人税減税で税収が減った穴埋めを国民に押し付けようとしているのである。
愛国心を持つ国民は、愛情と責任感と気概をもって国を支え守る」と言うならば、まず企業が“愛国心”を実行せよ!
 国民のために法人税を払え!
愛国心”を国民に押し付けるのは、国民に税金を払わせる方便なのか!
 企業に“愛国心”があるならば、法人税を払って正社員を雇い、社員や国民の懐を富ますべきなのである。
 国民に“哀酷”生活を強いる一方で、あなた方は一体何をしているのですか?自分たちは法人税を払わない代わりに国民に肩代わりさせるのですか?それが“愛国心”を持つ者のすることですか?
 ◆大手企業・銀行・投機家にこそ「愛国心」を! - 広島瀬戸内新聞ブログ版
   http://blogs.yahoo.co.jp/hiroseto2004/41025069.html
   http://b.hatena.ne.jp/entry/http://blogs.yahoo.co.jp/hiroseto2004/41025069.html
 ◆ハナシが逆|逍遥録 −衒学城奇譚−
   http://ameblo.jp/seitennkyuu/entry-10020651539.html
   http://b.hatena.ne.jp/entry/http://ameblo.jp/seitennkyuu/entry-10020651539.html
 ★阿修羅♪ > 国家破産49 > 138.html
  税負担が上がれば企業は外国に逃げ出すなどと国民を脅迫する経団連や経営者に、愛国心を持てなどと説教されるいわれはない
   http://www.asyura2.com/07/hasan49/msg/138.html
( ゜Д゜)イェア!無断 トラックバック? ■[ブログ巡り]自分にも食わせろ
  http://d.hatena.ne.jp/tokumei_r32/20070212
「何というか…自分の生活が困らないから言いたい放題言っているな。」
 
 そもそも、企業や国には“愛国民心”はあるのでしょうか?
 自らは国民を愛さないのに、一方的に国民には“愛国心”を求めるのでしょうか?
 
「公徳心の涵養という視点」?
 それならば、この提言をした御手洗氏には“公徳心”はあるのだろうか?
 御手洗経団連会長自身が「偽装請負」で自身のキヤノンが摘発を受けると、「法律が悪い」と言って開き直っている人物ではないのか。
 つまり、御手洗氏自身が
「法律を守らない」「公徳心のない」
人物なのである。
 違法の「偽装請負」や「サービス残業」を正当化するために法律を変えようとしている人物が
「公徳心」「愛国心」を押し付けているのである。
 まずキヤノンが「偽装請負」「サービス残業」などの違法状態を改め、法律を守ってから提言するべきなのである。
 
希望の国、日本」。
 こんなので本当に我々は“希望”を持てるのだろうか。
 大企業に都合のいい視点から書かれたものではないだろうか。
 これに対抗して、真に国民の視点から書かれた
「本当に希望が持てる国、日本」
が書かれる必要があるのではないでしょうか。
 
経団連の政党「通信簿」仕組みは? 思惑は?
  http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2007-02-04/2007020425_01_0.html
  ↑国民の立場から「採点」してみましょう。
  
◆「希望の国」の最新記事は、こちらからご覧下さい。
  → 「希望の国」
◆「御手洗ビジョン」の最新記事は、こちらからご覧下さい。
  → 「御手洗ビジョン」
 
◆「希望の国、日本
   http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2007/vision.html
◆「希望の国、日本 概要」
   http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2007/vision/gaiyo.pdf
 

希望の国、日本―ビジョン2007

希望の国、日本―ビジョン2007


 
変貌する財界―日本経団連の分析

変貌する財界―日本経団連の分析

 
★アンケートにご協力下さい。

☆「希望の国、日本」(御手洗ビジョン)が現実化すると、日本が希望の持てる国になると思いますか。
 
 思う      (8票) 16%
 思わない    (25票) 49%
 分からない   (2票) 4%
 「希望の国、日本」(御手洗ビジョン)を知らない (15票) 29%
 その他     (1票) 2%
 
 開始:2007年02月06日/締切:2007年02月11日23時

●コメントありがとうございます●
2007年02月06日22時54分15秒 お名前:独裁制をぶっこわそう!
 こんな勝ち組財界人が書いたのではなく、一般庶民の立場から書かれた「本当に希望が持てる国、日本」の提言が必要。
2007年02月06日22時55分15秒 お名前:独裁制をぶっこわそう!
◆「希望の国、日本」(御手洗ビジョン)を知らない
を選択された方は、検索サイトで検索して見て下さい。
2007年02月07日07時24分19秒 お名前:謎美四星
 希望は自分で作るもの。政治は関係ない。
2007年02月08日00時57分20秒 お名前:ひろき(H.O.)
 避けて通れない事も、いくつかあると思います。●その他
2007年02月08日04時28分35秒 お名前:Mylene
 道州制反対、憲法を改正するなら、第9は国際法に、第1条〜第8条と第88条は廃止するべき、第24条は、「社会における多様な性の平等」とするべき。
 結婚制度を廃止して、パートナー契約にするべき。●思わない
 
s(・・;) さすがに「思わない」が49%を占めました。
「思う」が8票もあるのですが、そう思うのはなぜでしょうか?
 まさか大企業の経営者のような人が私のブログやクリックアンケートマガジンを見ているとは思わないし。
 普通の生活をしている人がなぜ御手洗ビジョンで希望が持てると思ったのか、知りたいですね。
「知らない」という方も29%います。クリックアンケートマガジン経由の方でしょうか。
 政治にも注意を払っていないと、トンデモナイことが庶民に知らない間に押し付けられることになります。
 政治を動かしている連中の監視を怠ってはいけません。
 
 コメントで、
「希望は自分で作るもの。政治は関係ない。」
という意見がありました。
 もちろんこれは正論です。しかし、ルールに則った公正な社会があってこそ、という限定が付いた時のみの正論でしょう。
 この記事でも述べましたが、今の政治は、政権と結び付いた大企業の負担がどんどん軽くなって、その穴埋めのために一般庶民からどんどんふんだくろう、という政治です。
 法人税減税の穴埋めに消費税増税を使うのがその象徴です。
 つまり、一般庶民にとってはどんどんマイナスのハンディーをつけられている政治なのです。
 
 トランプで、「大富豪」というゲームがあります。
 地域によってルールは違うのでしょうが、私のいた地域のルールでは、続けてゲームを行う際、最初に1位になった者と最下位になった者がカードの交換を行いました。
 即ち、1位の人が自分の持ちカードのうち、弱いカードを2枚提供し、代わりに最下位の人が強いカードを2枚提供します。
 2位の人とブービーの人は同じように1枚ずつ交換します。
 このように、一度勝つと有利になり、一度負けると不利になるルールで行います。
 今の政治を見ていると、このことが思い出されます。
(検索してみると、“革命”というサブルールがあり、これが起こるとカードの強さが逆転するそうです。なるほど、そうなれば公正だ。私のいた地域ではこのサブルールはありませんでした。この文章を書く際、私は“革命”のサブルールがない状態をイメージしています。)
 
 このように、弱者にとって非常にハンディーがつけられるような不公正な政治では、
「希望は自分で作るもの。政治は関係ない。」
とは言っていられません。
 公正な社会の実現は、政治と無関係というわけではありません。むしろ、密接に関係しているのです。
 
 そもそも民主政治とは、間接民主政治とは、代議士制とは、そのようなものではないでしょうか。
 政治が腐敗しないために、国民が不断の監視をする必要があります。
 それが民主政治の原則です。
「希望は自分で作るもの。」
 この“自分で作る”ものの中に、政治も入っているのではないでしょうか。
 自分で政治に働きかけ、政治の腐敗を防ぎ、社会を公正にしていく必要があります。

今の政治は、庶民に厳しくて大企業優遇だと思いますか。

 今こそ冷静に考えてみましょう。郵政民営化、するべきでしょうか。

 教育基本法の改訂を現政権に任せると

NHK受信料と政党助成金に関しての抵抗感はどうですか。

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