理性的で良識的な哲学を広めるために

 当ブログの現在の前文にはこう記している。
「ネット上の言論は、特定アジアと言われる国や民族を批判する攻撃的な言論が多数を占めています。
 確かに一理ありますが、生産的な意見とは思えません。
 確かに国際情勢は厳しい。
 しかし憎しみや怒りをあおって対立に行き着くような状況は絶対に避けねばなりません。 平和に必要なのは、理性・冷静・良心的な哲学なのです。」
  
 しかし、各種ブログを見てみると、残念ながら、上の考え方とは正反対の、特定アジアへの憎悪や敵対心を煽るようなブログが多数派を占めているのである。
 現在の日本の空気は好戦的な方向に向かっていて、人の流れがどんどんと右へ右へと向かっているのではないだろうか。
 このような記述があった。
 
opeblo ■「真面目さ」と右派的言説
 http://d.hatena.ne.jp/opemu/20060523/1148332721
「「ゴー宣」読むのがインテリ、というのは、このレベルの学生ではまさにそうで、「漫画すら読まない学生」がほとんどだったりします。」
「あと、ちょっと気になる傾向として、けっこう「勉強熱心」な学生が、「歴史の真実」というようなあおり文句に惹かれて、『マンガ嫌韓流』のような本を読むのではないか、という指摘がありました(でも「勉強熱心」と言ったって、あのマンガとかを読んで「目が開いた」と言っているレベルですから「もうちょっとお勉強してきてね」としか言えないのですが)。」
  
「今は、まずネットで情報収集するのが普通だろうから、その様なファーストコンタクトがネット右派的な言説になってしまう事が多いだろうし、今の若い人達の「インテリ志向」「勉強熱心さ」が、ネット右派的言説に絡め取られたりするのは、止むをえないのかなとも思う。(絡め取られる理由は、時代の空気とか、他にも色々あるのだろうけど。)」
 
 一昔前は、本を読むような学問に熱心な人ほど左に行くと言われた時代があったそうだが、現在は逆になっているようだ。
 実際、「諸君!」「正論」「will」SAPIO」の見出しなど見れば、面白そうな気がして読もうという気が起こるのは分かるのである。
 中国・韓国・北朝鮮朝日新聞の悪口を勇ましくがなりたて、
「日本は悪くない!」
「日本は正しい!」
というキャッチフレーズのオンパレードである。
 スキャンダル週刊誌のノリで仮想的をバッシングし、自分の行動は正当化して癒やしてくれる。
 
 とにかく今の日本は閉塞感やイライラ・ギスギス感が漂っている。
 一方で、自信を失ってもいる。
  
 その結果、人は皆、何かに八つ当たりしたくなる反面、癒やしてほしいとも感じている。
  
「諸君!」「正論」「will」SAPIO」などのスキャンダル論壇誌は、その「八つ当たり感情」と「癒やし効果」を一手に引き受けてくれるのである。
 また、スケープゴートを集団で攻撃すること、いわば学校生活におけるいじめのようなこと、これのいじめる側に回ってスケープゴートを仲間と一緒に攻撃することで、連帯感を感じることもできる。
 
 また、インターネット上の2ちゃんねるなどのスキャンダル系掲示板や洗脳サイトもそれらと同じ効果を持っている。
 こういったことが、少しは活字を読んでものを考えようかという人々を「右」の方に向かわせる一つの要因となっているのであろう。
(その例として ◆駄文 ■[diary]考えているやつほど、つくる会史観にはまる
   http://d.hatena.ne.jp/s_kotake/20060519#p3
  ◆梶ピエールのカリフォルニア日記。
   ■[朝鮮半島][ナショナリズム]学生への啓蒙とプチ・ナショナリズム
    http://d.hatena.ne.jp/kaikaji/20040606#p1
 「授業の後で質問に来たりする「問題意識の高い」子に限って「僕SAPIOが好きなんですけど・・」と告白したりする傾向が強い」 )
  
 何せ私も実家は産経新聞をとっていたので、中学生の頃はそれに悪い洗脳を受けて右だったのである。若い頃はともかく威勢のいい意見を好むものである。だから、初めて政治に触れる若い人が「右」の言論に魅力を感じるというのは分かる気がする。
 
 ある日ブログランキングを見ていると、「問題意識の高い」人が「嫌韓」に触れて、それから世界を広げていきつつあるというのが分かる記述に遭遇した。
◆Rainbow Chaser  「嫌韓」の先にあるもの
  http://blog.livedoor.jp/parabora03/archives/50626003.html
「最近、私の中で「嫌韓」より「愛国」の考えの方が強くなってきていて、
特ア批判はその中の一環になってきているのです。。」
「でもそれは「特アに比べたら日本はマシ」ではなく、「日本って普通にすごくない?」ということで、
調べているうちに、日本人が昔やってきたこと=歴史・文化・考え方…
それらすべてに「ありがとう」と言いたくなったんです。」
「「韓国嫌い」だけで止まってたら、ストレス溜まるだけで何も意味はないっつーことでして。
嫌い嫌いって言ってても、日本と韓国は隣同士なのは変わらないい事実なわけで、」
  
 嫌韓嫌韓なりに考えている。確かに、「問題意識」も高く、思考能力も高い。
 最後の結論は日韓友好に到達している。
 嫌韓厨にはどうしようもない馬鹿者も多いが、有能な人も多い。数自体が多いのでバラエティに富んでいるのである。
 こんな有能な人がどんどん「嫌韓」という方向に行っているんだなあと残念に思うのである。
 
 しかし、前提条件が間違っていると結論も間違ってしまう。この方が理論の中心としている歴史観は「ダイトーアセンソーコーテーシカン」なる、誤った歴史観なのであって、その歴史観を正しいとした前提で日韓両国の歴史認識を統一させた上で日韓友好を、なんて都合が良すぎるのであるが。ともかくこの方は大学に入学して学問を始め、今一番勢いがあって一斉を風靡している「嫌韓」流史観にガッチリと捕らわれてしまったのである。
 自国に都合のいい歴史を相手に押し付けようなんて、都合が良すぎる。戦争中の八紘一宇そのものではないか。相手に主張するのなら、相手の主張を聞く耳を持つことも必要で、お互いの主張を効いてコンセンサスを得ていく地道な作業が真の友好関係につながるのではないか。
 結局、どの歴史認識が正しいのかはお互い今後も色々な情報をリテラシーして判断していくしかないと思いますが。上でリンクした s_kotake さんの文です。
「〜という種類の情報にバランスよく接していれば、正しい判断ができるのではないかと思います。そこに偏りがあると、正しい判断はできないでしょう。」
  
▼CLick for Anti War 最新メモ
 ■宮崎哲也の「うす甘いウヨク終わってる/おまえら保守じゃねえ」宣言
  http://d.hatena.ne.jp/claw/20060514#p2
  http://b.hatena.ne.jp/entry/http://d.hatena.ne.jp/claw/20060514%23p2
◆Munchener Brucke ■[Opinion]ナショナリズムの今−小熊英二
  http://d.hatena.ne.jp/kechack/20060513/p1
  http://b.hatena.ne.jp/entry/http://d.hatena.ne.jp/kechack/20060513/p1
◆反米嫌日戦線「狼」(美ハ乱調ニ在リ)
  あやうい保守言論の「内実」と国賊ネット右翼
  http://anarchist.seesaa.net/article/17541721.html
◆今日、考えたこと 癒しとしての反サヨク
  http://tu-ta.at.webry.info/200512/article_10.html
 
嫌韓」に代表される「右」の立場も色々あり、一枚岩ではない。
 一番広く使える定義は、「朝日新聞を敵視する」ではないだろうか。*1
 
 ということで、今までは長い前置きである。
 このエントリーは、 独裁制をぶっこわそう!minshushugishaのブックマーク の一コーナーとして独立させます。
●ネットや世論の右傾化の原因を分析したブログ記事
●理性的で良識的な哲学を広めるために何ができるか
●現在“右”に向かっている日本の風向きををどうすれば“リベラル”に持ってくることができるか
などをテーマに書かれたブログ記事のブックマークとしていきたい。
 最近はブログに割ける時間が極端に減ってしまったため、コレクションはなかなか集まらないと思いますが、少しずつ集めていくつもりです。推薦記事があれば、TBでお知らせ下さい。
 
◆【理性的で良識的な哲学を広めるために ネットや世論の右傾化を考える】◆
 
◆opeblo ■「真面目さ」と右派的言説
  http://d.hatena.ne.jp/opemu/20060523/1148332721
  http://b.hatena.ne.jp/entry/http://d.hatena.ne.jp/opemu/20060523/1148332721
  
憎しみや怒り・対立をあおれば行き着くところは争いや戦争。
戦争は日常生活の“破壊”である。
日常生活の“破壊”を目指すのは“保守派”ではなく“破壊派”である。
「節度と寛容」のない愛国主義は危険である。


  http://d.hatena.ne.jp/minshushugisha/20060131  
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*1:しかし現在ではリベラルな論調の人も朝日新聞を批判するようになってきたが