『源氏物語』を否定した軍国主義時代 これでも大東亜戦争を肯定するのか
朝日新聞5月31日に
不敬文学と呼ばれた昭和10年代―
源氏物語 あちこち「削ル」
山田孝雄の蔵書に校閲の跡
という記事が掲載された。
谷崎潤一郎は源氏物語を大きく3度にわたって現代語訳したが、昭和10年代の最初の訳は、削除部分がある。
これは当局や校閲した国語学者山田孝雄(やまだよしお 国文学者 57年に文化勲章受賞)の圧力によるというのが“通説”である。この山田の蔵書の書き込みから、削除案をうかがえることが判明したという記事。
皇国思想が強まった時期、「源氏物語」は風教上の悪影響を理由に弾圧され、38年には国語読本の「若紫」巻を削除する運動も起きたという。
記事中、谷崎潤一郎は山田の死去時、最初の出会いを回想して
「国士の風」の山田は「秋霜烈日の気」を帯びた語勢で、「穏当ではない」箇所をあげた、と記している。」
という記述がある。
また、
「中央公論社が国粋主義者・山田に校閲を依頼したのは、こんな風当たりへの盾にするためもあったといわれる。」
という記述もある。
しかし一方、谷崎の戦後の「新訳」の口述筆記をして山田とも面識があった評論家の伊吹和子さんは“通説”に違和感を持っており、
「数年前に山田文庫で谷崎書簡を見て、通説は余りにも一方的だと確信し、そのことを執筆中です。今回の書き込みの話は、うなずけます」
という談話も紹介されている。
結局、この記事では山田孝雄の思想や『源氏物語』に対する姿勢は断定して書かれていない。
山田博士のことは置いておいて、『源氏物語』である。
『源氏物語』は日本文化を代表する名作である。世界の文学という観点から見ても高い評価を得ている。
この日本文化を代表する『源氏物語』が弾圧された時代というのは、不幸としかいいようがない。
現代、“ダイトーアセンソーコーテーシカン”なる有害無益な思想が広まっている。
「大東亜戦争は正義の戦争だった」というトンデモ史観を主張したクズ本が堂々と書店で平積みされ、売れているのである。
自称“愛国者”(マッド・ナショナリスト)どもは、日本文化を代表する「源氏物語」を弾圧した大東亜戦争を肯定するというのか!
それこそ日本文化を否定する蛮行ではないのか。
↑ダイトーアセンソーを肯定することは、『源氏物語』弾圧を肯定することではないのか!
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